BOYS AND MENホールツアー開催の前日、私は『田中俊介映画祭2019』に足を運んだ。
「田中俊介」という人は、BOYS AND MENのメンバーのひとり。
3月から体調不良のためBOYS AND MENとしての活動をお休みしており、現在は俳優としてソロ活動をしている。
本映画祭は、彼の出演作だけを上映し、上映後にその作品についてのトークショーを行う映画祭として名古屋で開催されたもの。
今回、東京で開催されると聞いて「必ず一度は行こう」と決めた。
というのも、私はちょうど彼が活動休止する少し前にファンになったので、10人のBOYS AND MENを生で観たことがない。
8月に舞台『転校生』で「田中俊介」という役を演じる彼を観たけれど、それは彼によく似た誰かであり、彼自身ではなかった。
だから、とにかく「田中俊介」として喋る俊介くんをこの目で見たかった。
「強面でストイックだけど人懐っこい笑顔と甘い声を持つ、優しくて頼れるお兄さんな俊くん」を確かめたかった。
上映スケジュールと自分の予定を照らし合わせて申し込んだのは、9月3日の『デッドエンドの思い出』の回。
これがまたとても良い映画だった。
「こうなるだろうな」という予想を裏切る結末。自分の予想の浅はかさに恥ずかしくなるとともに、作中のふたりの関係が尊くて愛おしく思った。
あと田中さん演じる西山くんという役がとてもかっこいいです。原作も読みましたが、どっちの西山くんもよかった。
また、『デッドエンドの思い出』の回では、本編、ドキュメンタリー映像、トークショーという3部に分かれており、作品をいろんな視点で観られたところも良かった。
ドキュメンタリー映像には、撮影時の裏側と、主演ふたりと監督へのインタビューが収められていた。
スクリーンの中でインタビューを受ける俊くんは「名古屋代表」「ボイメン代表」という言葉を使っていた。過去の彼の言葉に、私は安心感を覚えた。
撮影スタッフが韓国側のメンバーで言葉も通じない中、地元を、グループを背負って真摯に取り組む俊介くんが頼もしかった。
監督、俳優陣によるトークショー。
2列目の端の方の席だったけど、目の前が俊介くんの座る位置でびっくりした。
現れた彼は、大きめのTシャツに太めのパンツ、腰からY-3のベルトを垂らしていた。やんちゃな服装がゴツめの体つきによく似合っている。
ちょっと怖く見られがちだけど、ひとたび笑うと親しみやすい笑顔。数日前にツタトラで見た俊くんのまんまだった。
俊くんは想像していたよりだいぶチャラい喋り方だった(笑)けど、想像通り熱い人だった。そして健康そうだった。
終演後のサイン会ではだいぶ長く話すことが出来て、伝えたかったことを伝えられた。
『転校生』の演技を観て、俊介くんの俳優さんとしての魅力の一つに人間性があると思ったこと。『デッドエンドの思い出』の西山くんにもそんな魅力が出ていたこと。いろんな作品に出てほしいと思ったこと。
俊介くんは「おお〜〜!」とか「マジで?!」と相づちを打ちながら私の話を聞いてくれた。
サイン会は彼にとって仕事なんだけど、「タレントとファン」というより「人と人」として会話してくれる人だなあと思った。
ただひとつ、「BOYS AND MENに帰ってきてほしい」という言葉は飲み込んだ。
彼がどのような事情でボイメンから離れているのか詳しいことが分からないし、それを言ったら真面目な彼の柔らかな笑顔が壊れてしまうのではないかと思ったからだ。
冒頭で書いた通り、私は彼がいるボイメンを生で観ていない。映像や、過去のラジオを切り取った音声でしか知らない。
でも、思った以上に俊介くんのことを好きになってしまったし、ボイメンのことも好きになってしまった。
9人でも十分素晴らしいけど、『BOYS AND MEN 夜露四苦』は「日々是鍛錬 ストイック〜〜!」から始まらなきゃ落ち着かないし、『ヤンファイソーレ』で「俊くん!」とコールしたいし、『バリバリヤンキーロード』や『サムライチョップ』のセリフは、やっぱり俊介くんの声で聴きたい。
何より、このたった半年彼らを見ていただけでも、田中俊介さんというあんなに素敵なメンバーを手離すのは惜しいと思った。
もし、この先彼が別の道を歩むことを決めたとして、それを咎めたくない。
そうなったとして、自分の気持ちが続く限りは彼個人の活動も追いかけると思う。
ただ、戻ってきてくれたらすごく嬉しいし、居なくなってしまったらすごく悲しい。
BOYS AND MENにとって田中俊介という人がかけがえのない存在であることは、どうか本人にも忘れないでいてほしいな。
最後に。小林くんと田村くんが自由すぎてそろそろ勝くんと本田くんの胃にストレスで穴が空きそうなので、帰ってきたらあのふたりを一発シメてください。よろしくお願いします。