彼らのことを思うとき、いつもKinKi Kidsの『フラワー』の歌詞が頭に浮かぶ。
こんなにがんばってる君がいる かなわない夢はないんだ
この言葉を信じているというより、ほとんど祈りみたいなものだ。
私たちは挫折を知らない子どもではなく、叶わない夢もあることを知っている。
夢を叶えた人はすべからく努力しているが、努力をすれば必ず夢が叶うわけではない。
それでも、腐らずに夢に向けて進化していく彼らが報われないなんてことがあってはならないと思ってきた。
如恵留くんが涙を流したあの夏から、もう3年が経った。
突然のデビュー発表にきっと動揺していたはずなのに、堂々と美しいパフォーマンスを見せてくれた七人を見て、「絶対にデビューさせたい」と思った2019年8月8日。
彼らよりも結成からの日が浅いなにわ男子のデビュー、どんどんテレビに出て名を売っていく後輩たち。ようやくメディア露出が増えたタイミングでの無期限渡米。
ただでさえ焦りを感じているのに、SNSを開けば彼らに対する心無い言葉が目に入って、ここ半年くらいはデビューについて考えることに疲れてしまっていた。
努力し続けている彼らに失礼だけど、期待しなければ傷つくこともないと正直諦めかけてもいた。
デビューしなくても、彼らは素晴らしい。そう思える5年間だったからこそ、無理に戦わなくてもいいんじゃないかと思っていた。
今回の発表にはとても驚いたし、正直まだあまり実感がない。
コンサート会場で発表されて、隣の友人と泣きながら喜びを分かち合うなんて展開を夢見てきたからちょっと物足りないなどと贅沢なことも思ってしまった。
案の定SNSには心無い言葉や不満の声も溢れている。そちらの言い分も分からないではないから責めることもないけれど。
でも、こうして数日経ってみて、友人や家族から「おめでとう」と言われて、じわじわと嬉しさが込み上げている。
「おめでとう」なんて、よくよく考えてみれば私は当事者ではないのに変な話だ。
メディアを通して姿や言葉を見守るだけの、コンサート会場でしか空間を共有できない相手なのに、どうしてか身内みたいな気持ちになる。
他人事と思えなくなるのがファンかどうかの境目なのだと思う。
自分のことのように、まではいかないけれど、自分が素敵だと思っている人たちがこうして夢を叶えていくのは、純粋に嬉しい。
思えば、楽しそうに踊る姿に心を奪われてから、好きになってよかったと思うことばかりだ。
様々なグループがあり、そのどれもに魅力があるけれど、私がずっと求めてきたアイドルとは彼らだったのだと思う。
先輩たちが作り上げてきた文化を大切に愛していることが伝わるカバー。
現状に満足せず高みを目指し続ける姿勢。
何より、7人が歌い踊る姿は楽しそうだった。
きっとたくさんの葛藤や苦労を隠してステージに立っているのだろうが、少なくともステージの上では、彼らはアイドルであることを楽しんでいるように見えた。
それが眩しくて、羨ましくて、応援したいと思った。
ステージを、アイドルを愛する彼らは、もっともっと愛されるべき存在だと思った。
そして今、Travis Japanはより広い世界へと足を踏み出そうとしている。
デビューは大きな目標だったが、終着点ではない。
どうか多くの人に愛されて、世界一幸せなアイドルになってほしい。
Travis Japanのみんな、デビューおめでとう。
遠くない未来に、「おかえり」と「おめでとう」を伝えられる日が来ることを楽しみにしています。