ジェットコースター・ロマンス

物事にハマるとき、どうしてこんなに急転直下、ジェットコースターのごとくハマってしまうのだろう。

 

幾度となく、何にハマっているか、という話をしてきた。

身近にいる友人たちには、恋バナをするかのごとく、「新しい推し」の話をしてきたし、詳しく言語化できる「好き」であればこのブログにも残してきた。

 

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ジャニーズというアイドル大帝国や、3ヶ月で移り変わるテレビドラマを愛するわたしにとって、「好きかも」を数えたらキリがない。

「〇〇のファンになった」と実感するのは、時間・労力・お金をつい注ぎ込んでしまう、病的な状態になってからで、気づいた時には手遅れだ。

 

今まで、無節操とも言えるくらい、さまざまなジャンルに手を出してきた自覚はあるけれど、唯一共通点があるとするなら、皆実在する人物である。

 

小学生の頃から今に至るまで、周りの友人には漫画やアニメ、ゲームを愛する子が多かった。

その文化を横目ながら長く見てきたおかげで、ビジュアルを見ただけで自分の好きそうなキャラクターを予想できるし、いいなと思うキャラクターもいた。*1
でも、身近にそれらを本当に好きな人がいるうえ、自分自身も別ジャンルのオタクだからこそ、ファンだと公言するほどではないな、と感じていた。

はずなのだけど、20代も後半に差し掛かった今になって、実在しない「七海建人」という男に心をかき乱されている。今回はその話をします。

 

 

■きっかけ

ジャニーズ好きの友人たちと久々テレビ通話をしたときのこと。

通話をはじめて少し経った頃、最近観たものの話をしている時に、友人たちがアニメ『呪術廻戦』の話で盛り上がっていた。

その日は夜遅くまで話していたので「先の展開が読めない」と「パンダ先輩」の2つの言葉しか覚えていないのだけど、面白そうだなあとぼんやり思った。

 

今まで、アニメを勧められても、なかなか観るところまで進めなかった。

それは、私自身が人から勧められたものに手を出すことを面倒くさがっているという点もあったし、漫画の方が自分のペースで読めるから楽だと感じているからでもあった。


ただ、『呪術廻戦』は、我らがTravis Japanのセンター・宮近海斗さんの愛読書であり、雑誌『ダ・ヴィンチ』の表紙を飾った際にも手に持つお気に入りの作品として選んでいたため、もともと気になっていた。

https://www.kadokawa.co.jp/product/322002001053/


外出しないから時間はたくさんあるし、サブスクリプションサービスに入っているから、追加でお金をかける必要もない。

色々な要素が重なって、次の日、少し遅い昼食を食べながら再生し始めた。

 

1〜2話だけ見て散歩にでも行こうかなと思っていたにもかかわらず、気づけば配信されているぶんすべてを観終わってしまった。

 

アニメを一気に観たのは初めてだし、そもそも、子どもの頃に『ONE PIECE』をたまに観ていたくらいで、最初から順に飛ばすことなく観られたのも初めてだった。

魅力的なキャラクターたちと、先の気になる展開のおかげだと思う。

 

話題作ゆえに普通にTwitterを観るだけでもうっかりネタバレを踏んでしまいそうな状況だったことと、作中でキーマンになりそうな「乙骨」のことを知りたかった*2ので、単行本を全巻揃えると決めた。

 

■アニメ16話まで視聴時点でのキャラクターの印象

アニメを観た時点で、好きなキャラクターは、七海建人、伏黒恵、禪院真希の3人かなあとぼんやり思っていた。*3

 

七海は、初登場時には「このサングラス何?」と思ったけど、私が観始めた時点で戦闘シーンでの見せ場も多かったし、マジメなキャラクターは基本的に好きなのでぼんやり好感を持った。

恵は、初登場の時点で「顔が好きだな〜」と思い、オープニングを改めて観て「まつげ長いな〜」と思っていたので、正直ほぼビジュアル。髪の毛が暗めの優等生キャラが好きがちというのもある。

真希さんは、最初こそ粗暴な印象を受けたけど、野薔薇ちゃんとのやり取りを聞いていて一気に好きになった。本人は「性格が悪いから」と言ってるけど、一人前になって見返してやる、という強い意志があるところ、かっこいい。

 

主人公の虎杖くんは、推しにするタイプではないんだけどすごく好き。彼が見ていて気持ちのいい人だからこそ、暗い作品でも耐えられたのかもしれない。タイプの異なる人とも普通に仲良くなれるあたり、いいやつなんだろうなと思う。豪快というか雑そうにも見えるけど、器用で料理が得意なところもいい。

 

■漫画 0〜14巻を読破

先が気になるという衝動に勝てなくなって単行本を買いに近所の書店に出かけたものの、全巻売り切れ。ネットショップでもたいてい在庫切れ。

店頭でもネットでも入荷予定は大体1週間後だったけれど、いつまで残っているかも分からないし、紙の本として手に取りたい気持ちより、早く読みたいという気持ちが勝ち、結局、電子書籍で全巻購入した。

 

ちなみに、わたしは配送時の梱包の状態を知りたくてAmazonのレビューを見た際、うっかり重要なネタバレを踏んでしまった。

かなり後悔しているので、まだ読んでない人はぜひ前情報を排除して読んでほしい。

 

刊行順に沿って、1〜3巻⇒0巻⇒4〜14巻。

これもだいたい4時間ほどで一気に読んでしまった。

 

王道であるジャンプ作品をほとんど通らず大人になり、漫画は好きだけど巻数の多いものは普段読まない身としては、現時点で追いやすい巻数だったのもありがたかった。

 

アニメで観たぶんを含め、漫画を読み進めていくにつれて、上に挙げた3人以外のキャラクターに対してもいろいろと思うようになった。

敵側のキャラクターの思い、大人たちの過去、戦いを経て強くなっていく生徒たち。生い立ちが詳しく明かされていないキャラクターもいるので、彼らの背景にどんな過去があったのかとても気になる。


考察しすぎると純粋に楽しめなくなるから…と思いつつ、何が起きて今があるのか、これから何が起きるのか、つい想像してしまう。


まだアニメではやっていない、エピソードの中にも結構好きなシーンがあるので、どうアニメ化されるのかもすごく楽しみ。

 

漫画を読んで、アニメ視聴時より特に好きになったキャラクターは野薔薇ちゃん。

真希さんとは違ったタイプのたくましさがあって、可愛いも強いも諦めないところが最高。

 

■推し確定

そして、14巻を読み終える頃には、七海が一番好きだなと思うようになった。

 

アニメで初めて観たときは、真っ先に「変なサングラス…………」と思ったから、こんなに七海建人というキャラクターを好きになるとは思っていなかった。

言動もビジュアルも、読めば読むほど好きになる。

 

性格としては、基本的に冷静で冗談の通じないリアリストだけど、言動の根底に優しさを感じる。

実力もキャリアもそれなりにあるけど、残酷になりきれないところがあるんだと思う。

大人である自分には子供を守る義務がある、と話す姿は、20代とは思えないほど落ち着いていて、とても頼もしい。

会社員時代も、「やり甲斐とは無縁」と言いつつ、真摯にお客さんに向き合ってるうえ、2年目にして成績も優秀そうなあたり、物事に対しても人に対しても真面目なんだと思う。

 

作中で、先輩である五条さんに信用されていたり、後輩の猪野くんや虎杖くんに慕われてるのは、戦闘における強さももちろんあるだろうけど、そういう人間性を見てのことなんじゃないかなと思う。

作者の芥見下々先生が七海の人気投票5位を「5位は1位」って言ってたのも、人となりが分かるシーンやセリフが多いから納得。ただお気に入りなだけかもしれないけど(笑)

 

芥見先生による七海のイメージソングのうち一曲*4ゆらゆら帝国の『ゆらゆら帝国で考え中』だったのも最高の気持ちになってしまった…。涼しい顔してめちゃくちゃキレてるんだな…。残業やムカつく上司に腹立てて「頭ん中で爆音で音楽が鳴ってるから聞こえねえよ!」にスカッとした気持ちをもらうのだろうか…。私自身、大好きな曲でカラオケの十八番でもあるので嬉しかった。


ゆらゆら帝国で考え中 MV

 

小説版の七海メイン回『反魂人形』で五条さんのウザい絡みを的確なツッコミで返してたのもかなり好きだった。バサバサ切るけど丁寧。本編での虎杖くんへの返しも丁寧だし。


12巻にて、3人で話す際にレディ2人を椅子に座らせて自分は片膝を立てて座っているというシーンがあり、あまりの紳士ぶりにため息が漏れた。

 

また、はじめは「変なサングラス……」*5とか失礼なことしか思っていなかったビジュアルも、よくよく見ると好きなタイプであることに気づいてしまった。

  

サングラスで隠れているのでなかなか見られない、鋭い目。
最近はあんまり描かないけど、手本なく手ぐせで男性の絵を描くと三白眼の四角い目になるくらいには、目つきの悪い顔が好きである。(女性の場合も然りなので、そっちは真希さんみたいになる。)

 

尖った鼻に薄めの口、骨っぽい面長の顔……10年以上好きな俳優・岡田将生さんに通ずる3次元の男性における好みの顔*6なんですけど………日本人離れした顔の原因であろう、1/4流れるデンマークの血に感謝………。

 

あとスーツ…色の組み合わせおしゃれじゃない?グレージュの上下に深い青のシャツ、渋い黄色のネクタイ…。ステンレス製であろうごつい時計も良く似合う。ファッションアイテムじゃないけど武器を覆う布がネクタイと同柄なのもいい。

 

通常時のきっちりオールバックもいいけど、戦闘中にオールバックが乱れて前髪がおりてるのもいい。会社員時代のくたびれた姿もいいし、高専時代の今より線が細めの体に髪の長いビジュアルにいたっては、グッズになったら端から買ってしまいそうなほど好き。

 

全時期において寄りがちな眉間のシワ、安心すらする。けど、普段が無表情か怒ってるかなだけに、柔らかく笑った顔の破壊力が凄まじい。

 

これだけスラスラ好きなところを述べられると気づいて、もう七海建人推しだな〜と感じた。

 

『呪術廻戦』にも『テニスの王子様』と同様にバレンタイン文化があるようなので、推しの人気を示したいがために*7、勢いに任せ、七海宛のチョコレートに芥見先生への手紙、七海への手紙を同封して送った。

芥見先生への手紙が便箋6枚にも上ってしまったのもびっくりしたけど、「実在しないんだし誰が読むってことでもないんだからメッセージカード的な感じで添える程度に書いちゃお〜〜」と深夜テンションで書いた七海宛の手紙が5枚(しかも先生宛のより1枚あたりびっしり)に渡ってしまったことには自分で引いた。

 

■終わりに

小学生の頃から、周りに二次元の世界を愛する友達が多かったので、身近に感じてはいたけど、わずか2週間ちょっとで、こんなに1人のキャラクターについて語れる日が来るとは思っていなかった。

 

ここ数年、北村匠海さんや、Travis Japanや、小林豊さんに転げ落ちるようにものすごいスピードでハマっていったときのような勢い。

 

主にアイドルにおいて、「その人を好きな自分」がしっくりきたときにわたしは彼らを「自担」や「推し」と呼びたくなる。

そして、推しが増えたり、推すことそのものを辞めることはあっても、推し変なるものをしたことがない。

一度誰かを中心に据えてしまった同じ枠組みの中で、別の誰かを中心に見ることが難しいんだと思う。

 

『呪術廻戦』において、「自分が好きなキャラクター=七海建人」がしっくりきすぎてしまったので、今後どうなったとしても、たぶんわたしは七海が一番好きなまま『呪術廻戦』を読み続けるような気がする。

 

これからもキツイ展開が待ち受けているようだけど、彼らのこの先を見届けたいので、気張って読んでいきたい。

 


*1:いいなと思ったキャラたち:サンジ(ワンピース)、蓮巳敬人(あんさんぶるスターズ!!)、神崎颯馬(あんさんぶるスターズ!!)、漣ジュン(あんさんぶるスターズ!!)、ユーリ・プリセツスキー(ユーリ!!! on ICE)、兵頭十座(A3!)、皇天馬(A3!)、火賀俊平(宇宙を駆けるよだか)、星先生(女の園の星)、目高優一(夢中さ、きみに。)、竜ヶ崎怜(Free!

*2:既刊では0巻に登場。2年生のことをもっと好きになるのでアニメ派の方にもおすすめ。

*3:今思えばこの時点で登場順でも五十音順でもなく七海を先頭にしてる時点で決まってたみたいなところある

*4:もう一曲はフジファブリックの『サボテンレコード』

*5:何回も言ってごめんだけど、見たことない形のサングラスだったからもうその印象しかなかった

*6:でも一番七海っぽい顔だなと思う俳優さんは伊勢○友介さん

*7:この感覚ってオタク特有だなと思う