おいでよ、DISH//の沼 ~音楽編~

DISH// 北村匠海さんのミュージックステーション出演を記念して、今週は2本立てで勝手にDISH//さんを宣伝しようと思います。

1本目は、「私が思う音楽面でのDISH//の魅力」をお伝えするべく「おいでよ、DISH//の沼 ~音楽編~」と題してお送りいたします。

 

そもそもDISH//とは?

北村匠海(Vo/G)、矢部昌暉(cho/G)、橘柊生DJ/Key泉大智(Dr)の4人で構成された、演奏しながら歌って踊るダンスロックバンド。

201112月に結成。20136月にソニー・ミュージックレコーズよりシングル「I Can Hear」でメジャーデビュー。これまでに12枚のシングルと3枚のアルバムを発表。エンターテインメント性の溢れたライブは大人気で、4年連続で元日に日本武道館での単独公演を通算5回開催した。20194月にリリースしたアルバム「Junkfood Junction」はオリコンウィークリーチャート2位を獲得。8月にバンド史上最大規模となる野外公演「DISH// SUMMER AMUSEMENT '19 [Junkfood Attraction] を富士急ハイランド・コニファーフォレストで開催した。

引用元:https://dish-web.com/profile

 

DISH//は、俳優事務所でありながらももいろクローバーZという国民的アイドルグループを生み出したスターダストプロモーションによる、EBiDANというプロジェクトの中で生まれたグループです。

EBiDANには他に、アリーナツアーを成功させている超特急や、『3D彼女』で主演を務めた佐野勇人さんが所属するM!LK、3A組』に出演した古川毅さんが所属するSUPERDRAGONなど数多くのグループが在籍しています。

 

楽器未経験*1で、大人に言われるがまま始まったというバンドスタイル。

メンバーがみな中高生だった結成当初は、楽器を持ちながらも演奏はしないエアバンド方式が多かったものの、のちに「演奏しながら歌って踊る」という「ダンスロックバンド」スタイルに到達。近年では通常のバンド形式のみならずアコースティックアレンジもこなせる*2ほどに。ファンとしては、どんどん進化していくパフォーマンスがいつも楽しみです…!

 

 

 

DISH//を好きになった経緯

ここで少し私自身の話をすると、私が彼らのファンになったのは、約2年半前。

きっかけはおそらく、北村くんのInstagramに載っている写真だったと思います。

そこからなんとなく気になる時期が続いていたある日にDISH//の『猫』という楽曲を聴き、あまりにも好きで、歌詞を全文ノートに書き写して、自分の解釈を書き加えるなんてことをしてしまうくらいには好きな曲に。

ほどなくして『勝手にふるえてろ』『隣の家族は青く見える』での演技を見て本格的に北村匠海さんのファンになり、「『猫』以外の曲も良い〜!メンバーみんな推せる〜!」と思っているうちにDISH//のファンになりました。

当時の日記がこちら。

shootingstarter.hatenablog.com

 

DISH//の音楽のどんなところが好きか

ここから、6つのポイントに分けて私がDISH//の音楽のどこに惹かれているか?をお話します。

 

①多様なジャンルを取り入れた楽曲

まず、DISH//、曲がいい。

インディーズ~1stアルバム頃は、『ピーターパンシンドローム』の「ま~さき!ま~さき!」 *3や、『We Are DISH//』でも使われている「超絶可愛い 匠海~!」*4などのコールが入る曲も多く、アイドルっぽい楽曲が多め。

「非アイドル」*5なグループに失礼を承知で言うけれど、『ギブミーチョコレート』『サイショの恋~モテたくて~』などのモテない男子が主役のトンチキソングなんてジャニーズオタクの血が騒いでしょうがない。ちなみにマイベストトンチキソング『Pa Pa Pa パンティー!』(矢部昌暉さんソロ)は、丸山隆平さんの大迷曲『ワンシャン・ロンピン♬』の作曲を担当された磯崎健史さんが作詞・作曲を担当されていて、納得しました。*6

メンバー作詞曲が収録された2ndアルバム『召し上がれのガトリング』前後からは、徐々にバンドらしい楽曲が増え、それは2017年のドラマー・泉大智さんの加入によって加速。

3rdアルバム『Junkfood Junction』は『アイロニスト』や『スマホの中のラブレター』のようなコミカルでポップな曲と『SING-A-LONG feat.アイナ・ジ・エンド』や『DAWN』などのシリアスで壮大な曲が混在した盛りだくさんの内容で、初期の可愛らしさを残したまま、硬派な曲も似合う今の彼らの魅力が詰まっています。

今年発売されたミニアルバム『CIRCLE』は、従来よりも実験的な曲が多く、聴けば聴くほど癖になる。

アルバム曲やカップリング曲も名曲揃いなんですが、これは書けたら別の記事として書きたい。

 

②声質の異なるメンバーによって広がる歌の表現

メインボーカルがいながら他のメンバーもよく歌うところも好きな理由。

以下に私が思うメンバーの歌とパフォーマンスの特徴をまとめました。

 

北村匠海くん

胸を締め付けられるような歌声と踊れるグルーヴ感を持つメインボーカル。

優しく湿度の高い声で、『猫』や『ただ抱きしめる』などのバラードでよく表れるように、歌の世界を生きているかのようなエモーショナルな歌唱。

常に色っぽい声質かつメインボーカルなので『愛の導火線』のセリフパートなど、ここぞ!なセクシーパートは北村くんに回ってくることが多い。

本人が「R&Bっぽい曲が得意」と言っていたように、『Loop.』や『Sauna Song』などミドルテンポの踊れる曲でのグルーヴ感もかっこいい。向井太一さん提供の『明日を見つめて』の歌唱はとても気持ち良さそうで、聴いていて楽しい。

TAOTAKECHOLLでの歌声も素晴らしかったので、これからもいろんな曲を歌ってほしい。絶対得意ジャンルだと思うのでDISH//で『丸ノ内サディスティック』カバーしてください。

 

矢部昌暉くん

甘く爽やかな歌声を持ち、主にコーラスを担当。

『晴れるYA!』や『ラブソングなんて似合わない』など初期はキンと通る天使の歌声、大人になった今は柔らかさが加わって包容力が感じられる歌声に。

明るく元気な印象や可愛らしさのある声なので『スマホの中のラブレター』のようにポップな曲調や、開けた感じを演出したいBメロなどをメインで歌うことが多い。

一方コーラスでは『Shape of Love』サビのように雲が晴れたような上ハモも『猫』のように優しく寄り添うような下ハモも抜群の安定感。特にまっすぐ綺麗に伸びる高音には毎度新鮮に感動する。

アイドル好きな彼なので可愛いカメラアピールなども上手いけど、真剣にキメた時のかっこよさこそ見てほしい。2018年日比谷野外音楽堂のライブで見せた『誰にでもあるでしょう』で3ピーススーツを着込んで歌い踊る姿は、まるで別のコンサートに来たかのような気持ちになるほどの完成度でした。

 

橘柊生くん

主にラップを担当。

スマホの中のラブレター』のようなしゃべり声に近いポップなラップや『僕たちがやりました』に代表される巻き舌を交えたワルいラップでヒップホップの香りを運んでくれる。龍二くん脱退後はラップの割合が増え、ワルめの曲目ではよりワルさを強く出すようになったと感じています。

普段が元気いっぱいかワルかのどちらかであることが多いので、バラードを歌う歌声の優しさにドキッとする。本人は自分の歌声があまり好きではないとのことだけど、ファンとしては柊生くんの歌ももっと聴いてみたい。

本人作詞曲である『音花火』では、ゆるやかなラップ。かつて「おふざけ担当」で「良い男にはほど遠い」なんてキャッチコピーを付けられていたのが嘘みたいに、肩の力が抜けたやんちゃさが色っぽい。

 

泉大智くん

歌・コーラスは少なめ。

ざらついた質感で通る声。北村くんいわく「(大智の歌声は)土」とのこと。*7

『星をつかむ者達へ』のBメロ部分のように楽曲のフックとなるパートを担当することが多い。

ドラマーゆえに歌パート斜め左を向いた時、メンバーは「エロい角度」とか言ってイジッてるけど実際のところめちゃめちゃかっこいいよね????

ソロ曲『SECRET』で男っぽいロックが似合うことが判明したので、泥臭いかっこよさがある楽曲を大智くんにメインで歌ってもらうというのもバンドとして広がりが出て面白そう。

 

4人の歌声を味わうには、個々の歌声がじっくり聴ける『理由のない恋』や『That’s My Life』、それぞれの声の特徴を活かしたパート割が素晴らしい『ビリビリ☆ルールブック』がおすすめです。

 

小林龍二くん

元メンバーだけど、『勝手にMY SOUL』以前の楽曲を語るには外せない存在。

ザ・ヤンキーな声質で、柊生くんと同じく主にラップを担当。

初期はデスボイスを使っていた*8り、同じラップでも、柊生くんのポップでやんちゃなラップに対してワルくてクール。『僕たちがやりました』のAメロのように遊び心ある歌詞でもしっかりクールで、楽曲を締めてくれる。

一方で『THE PHAMTOM』で聴ける高音は儚くて美しい。2017年の武道館ライブでは水色のメッシュが入った白金の髪色もあいまって幻想的。

彼がいることでよりバラエティに富んだ表現ができることは間違いないので、時折、彼がなんともなかった世界線DISH//ってどうなってたかなと想像してしまいます。

 

北村匠海さん・矢部昌暉さんの同い年コンビによる相性抜群のハモリ

もともと関ジャニ∞のファンな私。ユニゾンのイメージが強いジャニーズだけど、関ジャニ∞にはコーラスを多用した楽曲が多く、関ジャニ∞を好きな理由の一つもまた、コーラスの厚さだったりします。

DISH//というバンドを考えたとき、メインボーカルの匠海くんと全く異なる声質、世界観、音楽的バックボーンを持つ歌を歌える昌暉くんがコーラスを担っているのはかなり大きい。メインで歌う比率を変えることでできる曲の幅が広がるし、一緒に歌った時も違う表情が生まれて深みが出るので。

有名な例でたとえると、King Gnuに井口さんと常田さんという異なる特徴の歌える人がいることで、『白日』では繊細な歌い出しを井口さん、力強さが欲しいBメロは常田さんをメインにしたり、サビを2人でハモることで美しさの中にダークな雰囲気が漂う音になる、みたいなことです。(これもまた私の主観なので、「全然違う!」と不快にさせてしまっていたら申し訳無いです・・・。)

そして昌暉くんの歌唱力が高いのも強み。メインボーカルの匠海くんに次ぐ歌割りの多さから考えてもともと歌唱力については期待されていた方だとは思うけど、『僕たちがやりました』頃のブログで「ハモリに力を入れている」と語っていたとおり、最近は「ボーカルに寄り添う歌」を意識しているように感じます。だから、違うはずの二人の歌声が浮かずに溶け合う。

昔、「コーラスをやる人はボーカルと同じくらい歌えていないといけない」と聞いたことがある*9んですが、昌暉くんのコーラスはまさにこれで、決して控えめに遠慮して歌っていなくて。

だからこそ2人の歌声が合わさったとき、こんなに気持ちを動かされるんだと思います。

 

 

④バンドを彩る橘柊生さんというマルチプレイヤー

歌の面でラップを担当している柊生くんは、音楽面だけでも他にもいろんなことを担っている。

DJとFlying DISH//担当としてスタートし、最初はお皿を洗うという謎のパートになる可能性もあったという柊生くん。

そんな彼はいまや、1人でイベントに出たり、ミックスCDを出したり、DJ仲間が出来たりするほどDJの世界にのめり込んでいる。新しい音楽への感度が高いし、『Loop.』も『音花火』もDISH//の曲の中で異色な良い曲たちなので、音楽を作るという面においても頼れる存在。

一方で、「ライブの企画でピアノ連弾をしたところ筋が良かった」という理由で始まったというキーボードも、歌うような温かさがあって好き。昨年のアルバム発売時の雑誌に、「匠海のテンション感でピアノのタッチを変えるのが好き」と話している記事があって*10。彼の演奏が温かく感じられるのはこういうところだろうなと思いました。

そしてライブでは、ファンと一緒に踊って盛り上げてくれるというサービス精神旺盛な柊生さん。振りが分からない時は柊生くんを見ると解決します。『I'm FISH』のサビで踊ってすぐ間奏でDJする流れが好き。

一緒にいすぎてメンバーから見たら「頼れる最年長!」ってかんじではないかもしれないけど(笑)、いろんな役割を担っている柊生くんはとても頼もしい。

 

DISH//をダンス"ロックバンド"に完成させた一途で真摯な泉大智さんのドラム

加入以前はカスタマイZというバンドでドラムを担当していた大智くん。バンドが解散となり、ドラムを叩ける居場所を探していたところで匠海くんから声が掛かったそう。

EBiDANとしてダンスレッスンを受けていた時期はあれど、ドラムと出会ってからずっとドラム一筋だった彼は、メンバーの中で最もロック色が濃い。

歯切れ良く迫力もある大智くんのドラムが入ることで、DISH//のバンドらしさはグッと増しています。柊生くんが「シンプルに、バンドの楽しさが増したと思います」と話していた*11ように、彼らにとってのバンドが「大人に言われてやらされているもの」から「自分たちのもの」へ変化していく大きなきっかけだったんじゃないかと思います。

ロックを強化するだけではなく、「ダンスロックバンド」の看板を守るため、『Get Ur Body』で苦手なダンスでソロにも挑戦した大智くん。彼のダンスの部分も忘れない、という思いは「ダンスロックバンド」という独自のジャンルを突き進む上ですごく心強い。

加入時はバンド色が強くなったことへの抵抗を示す声が多かったようだけど、今のDISH//を見ていると、同じ場所で育ってきて、ドラマーとしての腕もあって、かつグループを守るために必要なものを見極められる大智くんは、DISH//にとって最高のドラマーだと思います。

 

⑥ダンスロックバンドならでは!の聴かせてブチ上げて踊れるライブ

しっとりしたバラードも、頭を振り乱しちゃうようなブチ上げなロックも、会場全体で踊っちゃお♪な振り付きのダンスロック曲も、DISH//のライブならいっぺんに味わうことができる。私は彼らのライブが大好きだし、もっとたくさんの人にこの楽しさを知って欲しい!と思っています。

ライブハウスで汗だくになるのも最高だし、夏の野外で日が暮れるのを横目に見ながら楽しむのも最高だし、椅子のあるホールだって大人しくいられないくらいには楽しい。

現時点ではライブの予定が無いので、公式チャンネルに上がっているライブ映像を観て頂けますと幸いです・・・!

 


DISH// 『猫』~『僕たちがやりました』~『勝手にMY SOUL』ライブ動画 special edition

 

というわけで『おいでよ、DISH//の沼〜音楽編〜』は以上です。

明日6月5日の21:00〜のミュージックステーション、よろしくお願いします!!

 

*1:泉大智くんのみ、加入時点でドラム経験者

*2:公式YouTubeの #HOMEDISH という企画で5曲のアコースティックバージョンを公開中

*3:この曲は1回のBメロにつき6回もまさきコールが入る

*4:私もBOYS AND MENの現場で知ったけど、男性アイドルの場合は「超絶イケメン ○○!」です。でも超絶可愛いから仕方ない。

*5:初期のEBiDAN所属グループのCDジャケットには「非アイドル」印が入っていました。おそらく現在に至るまでどのグループも「アイドル」とは名乗っていないはず。

*6:磯崎さん、ジャニーズでは他にもKis-My-Ft2の「Kis-My-Calling」(作曲・編曲)SexyZoneの「スキすぎて」(作曲)などを担当しており、トンチキにゆかりがありすぎる。

*7:2018年日比谷野外音楽堂公演の副音声より。ちなみに他のメンバーは北村くん・柊生くんが木、昌暉くんが金属らしい。

*8:『いつかはメリークリスマス』など

*9:有名人の発言風に言ってるけどたぶん軽音楽部時代の顧問の先生の言葉。でも実際そうだよなあと実感する。

*10:『B=PASS』2019年5月号

*11:2018年『CanCam