タイトルを見てずっと気になってたけど読んでなかった本が原作で、最近気になってる北村匠海くんも出るし、松岡茉優ちゃん好きだし、と勢いで観ることにした。
以下ネタバレありです↓
私は最初から最後まで「ニ」が嫌いだった。
勝手に鉛筆使っといて折るし、好きで誘ったくせに酔いつぶれて人のせいにしてくるし、関係ない用事なのにマンションのエレベーターまで乗り込んでヨシカにつきまとうし。
「ニ」の相手役としての良いところって「ヨシカのことを好き」というところと、「目的のために行動する」という2つかなと思う。
実際、ニの行動をマネしたヨシカは、イチと少人数で会うことに成功し、大好きな絶滅種の話で盛り上がることができた。
イチはヨシカの名前を覚えてなくて、ヨシカはそのことにショックを受けて帰ってしまう。
ニとデートして、「付き合おっか?」と提案するも、キスされそうになって逃げる。
次の日、前日のことを謝ってきたニに対し、一度は受け入れるものの、ニがクルミから「ヨシカは今まで彼氏がいたことがない」と聞いていたとこぼすとヨシカ激怒。
10年片思いし続けてきたイチの存在を「もう1人の彼氏」と言い、「1番好きな人に絞るので、さよなら」と告げて会社をやめるため荷物をまとめる。
いつものように妄想で召喚しようとしたけど、イチは現れなくなってしまった。
同僚のクルミからの電話を聞いて、彼女への怒りが鎮まったヨシカはニに連絡する。「1(イチ)は消去、2(ニ)は保存」の留守電メッセージを聞いて。
「処女はかわいいなんて怖いこと言うな」「処女じゃなくなったら可愛くないみたい」ヨシカはニに「愛してるなら耐えてよ」と叫ぶ。
ヨシカが住んでるアパートの玄関で外に向かって「俺との子ども作ろうぜ!」と叫ぶ。
そしてヨシカは初めてニの本当の名前を呼んで、自分からキスをする。映画終わり。
放心状態でエンディングを眺めながら、「なんて残酷なんだろう」と思った。
「この歳で初めての彼氏だから、普通の彼氏彼女じゃ不安なの」と言ったヨシカにとって、ニはそれを超えた存在なの?
1番好きじゃないって言ったくせにどうしてニにキス出来ちゃうの?
ニは、ヨシカの1番じゃなくてもいいの?
ヨシカのような女の子は、ニのように自分勝手でストーカー体質でも、自分を愛してくれる人と結ばれるべきなの?
こんなに釈然としないのは、きっと冒頭のシーンがあったからだ。
「イチとは結婚しても幸せになれない。
ニとだったら、結婚出来る。
他人事みたいに、花嫁を満喫できちゃう。
それでもやっぱり、イチが好き。」
涙を流しながら、金髪の店員さんにそう話すヨシカは、このエンディングより先のヨシカなのだろうか。
だとしたら、こんなに残酷なことってない。イチを思い続けながら、ニとの関係を続けるなんて。
私は、映画を観ながら、つらくて何度も泣いてしまった。ヨシカの思いは、共感できるところが多かったから。
ヨシカは、妄想だったけどずっとイチを好きだったし、実は当時いじめられていたイチの、唯一の理解者になれるのはヨシカだと思ったのに。
ヨシカはどうして、現実のイチと向き合う道を選ばなかったんだろう。そればっかり考えてしまった。
私だったら、きっと、イチを選んでしまうな。
でも、それは幸せになれない人のする選択なのかもって、思わされるラストだった。
でも、なんか、みてよかったな。1人じゃない気がしたから。
追記(2018.1.20)
ヨシカの家がボヤ騒ぎになって、死ぬかと思ったから現在のイチに会おうと行動を起こすところが1番好きなシーンだった。
この物語のオチの釈然としなさは『婚前特急』の時に感じたのと似ている。